登山口観察学入門
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File No.013

 ♪まさかり担いで金太郎〜


ちなみに源頼光の家来、坂田金時の幼名ともされますが、本当に実在したか疑問視されているそうです


 
 神奈川県箱根町と静岡県小山町の境にある足柄峠で見かけた金太郎の看板です。絵から漂ってくるチープ感に思わず車を停めてしまいました。
 
 この絵で、私が注目したのはクマです。胸元にはしっかり月輪模様があってツキノワグマを意識して描かれていることがわかります。これなら動物学的にも矛盾しないといいたいところですが、実はツキノワグマにも模様がない個体もいるので、月輪がなくても間違いとはいえません。目や鼻の周囲、そして耳の内側が白いのは気になりますが、金太郎を乗せてうれしそうなクマに免じて大目にみましょう。

 それにしても改めて金太郎というキャラクターを見直すと、かなり変です。いかにも健康優良児みたいな男児が、丸金印の入った赤い前掛けだけつけてクマにまたがっているんですから。外国人が、この絵を見て、どう思うか聞いてみたいものです。頭頂部がハゲたスモウレスラーだと思われるのが関の山かもしれません。