登山口観察学入門
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File No.007

 人面岩


岩がいっぱいあるぞ。人面岩って、どれだ?


あ、これだこれ。確かに人の顔みたい。目が細いので、寝てる顔に見えるね

 
 長野県と新潟県にまたがる関田山脈といえば全長50キロにも及ぶ信越トレイルで有名ですよね。でも、関田山脈のお勧めは、それだけではありません。この山には、いくつもの道路が峠を越えてますが、中でも牧峠には、ちょっとおもしろいものがあります。その名もズバリ「人面岩」。小学生でも想像できるほどの、実に単刀直入な名前です。

 新潟県側から牧峠を目指すと、途中、手書きの案内看板が、くどいほどに立てられていますので、すぐにわかります。やがて峠の手前で、それらしき場所が見えてきました。ここにも手書きの看板で「牧峠人面岩」とあります。

 自然界には、人の顔に見えるものがよくありますし、大脳の中には、顔の形だけに反応する特定の神経細胞があって人の顔でなくても人の顔に見えてしまうしくみがあるそうですから不思議ではありません。でも「人面岩」を実際に目にして、これなら「人面」と呼んでも無理はないと取材者は思いました。頭が長すぎますが、烏帽子を被っていると思えば、おかしくありません。目も顔の形も、ほぼ左右対称で、確かに人の顔に見えます。予想以上でした。