登山口観察学入門
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File No.006

 超アナログな登山者カウンター

固定された計測カウンターは、雨露がかからないように木製の箱に入っており、下の紙には、「登山者数の調査を行っています。両神山に登山される方だけ、1人1回数取器の押しレバーを押してください」と書いてありました

 
 登山者カウンターって、何か知っていますか。赤外線を利用して前を横切った人数をカウントする装置で、例えばオーバーユースが懸念される尾瀬ヶ原とか、白神山地とか、屋久島みたいなところの登山口に設置されています。取材者も、そんなエリアに行く機会が多いので、よく見かけて知ってました。ところが、そんな装置を使わない、もっと原始的な方法の登山者カウンターを見かけたので、ご紹介しましょう。

 場所は埼玉県小鹿野町、両神山・八丁峠コースの起点になっている上落合橋の登山口です。ここに置かれていた登山者カウンターが←これです。木の箱の中に数取器が取り付けられ、登山者自らが1回押すというものでした。登山者のみなさんは、きちんと協力しているようで、カウンターの目盛りは「800」を表示していました。少なくとも800人が協力したのは間違いないようです。同様のカウンターは、小鹿野町内のほかの登山口でも見かけ、両神山の主要登山口である日向大谷のそれは「5523」になっていました。

 赤外線センサーを利用した装置に比べて、かなりアナログでシンプルな方法ですが、お金をかけずに登山者数を計測する、実にグッドアイデアの方法だと思いませんか。