登山口観察学入門
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File No.002

 北海道みたいな地名

「部」を「ぺ」と読ませるところが、まるで北海道みたいでしょ

 
 青森県青森市にある眺望山という山の登山口に行ったときのことです。近くに立てられていた「内真部」という地区名の標識に目がとまりました。本州なら、さしずめ「うちまなべ」と読む人が多いかもしれません。ところが、なんと「うちまんぺ」と読むようなんです。アイヌ語に由来する地名が多い北海道では珍しくないと思いますが、さすが北海道と津軽海峡を隔てて隣り合う青森県にも、こんな明らかにアイヌ語由来の地名があるんですね。
 アイヌ語地名は、その場所の地形や産物などに由来することが多いそうです(北海道庁のサイト「アイヌ語の地名」ページ参照)。例えば「知床」は、「地の果て」を意味するアイヌ語「シリエトゥク」に由来する、というのは結構有名でしょう。アイヌ語に由来する地名というのは、実は東日本に広く点在しているとする説もあるようですから、珍しい発音の地名があれば、もしかするとアイヌ語由来なのかもしませんよ。